雨飾山 フトンビシ右岩峰中央稜

2018日程:2018年9月23日日帰り
メンバー:太郎(記)、KWZ

ある日の例会でみうらーと雨飾山の荒菅沢BCの話をして、帰って雨飾山の荒菅沢を検索したのがきっかけ。
山登魂の無雪期のクライミングの記録がでて、内容が本当に面白すぎて行ってみたくなったのです。

パリパリ剥離していくフレークの岩肌も、鋭く尖ったナイフリッジの馬乗りも、信用ならないピナクルへのランナーを取って落ちるならば右左どっちみたいな考えが巡ってしまうのも、山登魂 鮎島氏の表現そのものでした。
雨飾山・フトンビシ中央稜に行こうとする人すべてに読んでほしい魂の記録だと思います。
https://yama-to-damashii.outdoor.cc/20080915_futonbishi/01.htm


さて、基点は雨飾高原キャンプ場。5:00出発。
登山道が荒菅沢を横切るところで沢に入る。終始濡れることはなく、そこを通過すると開けたゴーロ帯となり、中央稜に伸びるスラブへと変化していく。自分たちは中央稜の支尾根に乗ったようだ。

雨飾高原キャンプ場の朝。紅葉シーズンとあって登山客で賑わっていた。

登山道から眺められるフトンビシ岩峰群。正面のルンゼを中心に、左側が中央稜。中央稜は中間部で2つの支尾根に分かれており、我々は左側の支尾根から取りついた。

登山道から沢に入ってゴーロ帯を歩くと両岸狭まる

中央稜の左支尾根の末端スラブ

中央稜支尾根の下部を登る

左の支尾根に上がった

左の支尾根上から中央稜を望む

この支尾根の下部はしばらくボサとヤブが茂るリッジで、中央稜に合流するポイントからロープをつけた。
※以降、定まったビレイポイントがあるわけでなく適当にピッチを切っています。

1P目KWZ
中央稜に向かって登る。
事前情報通りの脆さや中央稜への乗越ポイントで一苦労したようで、リードは満足、との事で以降太郎トップとなる。

ロープをつけ中央稜に向かう

中央稜に乗った

 

2P目太郎
いよいよナイフリッジの始まりである。
両側切れ落ちていてどっちに落ちてもヤバいが、一縷の望みをかけてダブル―ロープは左右に振り分けて進んだ。
ランナーはピナクルの他、古い残置ハーケン、小さめのカムなど。
ちなみに残置ハーケンはしっかり決まっているものもあれば、バサッと岩ごと抜けるものもある。
終了点は残置ハーケンにカムに加えてハーケンで補強した。

2P目途中から振り返る。まだリッジに立てる余地がある

2P目終了点から振り返る。

これだこれ

3P目太郎
ナイフリッジは薄くなり股間への刺激が強くなる。
馬乗りで10m程進むと、鋭さそのままで傾斜が一層増したセクションが立ちはだかる。おそらくここがルート中の核心であろう。
どちら側かに体を寄せてスメア気味に寄せれば技術的に登れないことはない。しかし、とにかく脆すぎる。
そんなムーブを繰り出してこのリッジは耐えられるのか確信を持てず、また、突っ込む勇気がでなかった。
ということでリッジの左側に5m程懸垂し、このセクションを回り込むようにこの巻き上がることにした。

眼の前の核心リッジ。写真下の岩が剥げた部分を一歩上がることができなかった。

3P目終了点から振り返る

4P目太郎
斜面を懸垂後、ルンゼ状を目指してトラバース。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

5P目太郎
ルンゼを直上する。
最狭部の乗っ越しが非常に脆い。
核心を巻いたつもりだったが、こっちはこっちで生き心地がしなかった。

5P目終了点から見下ろす

5P目核心ポイント
https://photos.app.goo.gl/dbxxoh8s28iQ2qwT7

6P目太郎
中央稜に復帰すると真新しい崩壊地が現れる。リッジの右側が大規模に滑り落ちているが、リッジ自体は生きている。

崩落跡

崩落跡の上

7P目太郎
ラスト。笹薮に突っ込んでロープをたたむ。

リッジは笹薮に吸収されフィナーレ

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

雨飾山登山道まで、根曲がり竹の藪をかき分ける。
14:10登山道合流し、山頂を踏んでおく。14:40山頂

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

登山道下山で駐車場まで。

 

 

 

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