日付: 2016年2月27日-28日 前夜発1泊2日
メンバー: 太郎(記)、YMT、HG
上栗山の鬼怒川支流、三沢にある大滝の右を登りました。
姿が立派なので滝見界隈では知れた滝のようですが、実は正式名称はなく無名滝。三沢大滝、三沢双龍滝、三沢両門滝などと呼ばれているようです。
■駐車~幕営地
開運橋を渡って突き当りを右折。左手の林道を進み終点に駐車する。
終点から斜面を急登し、992に至る尾根状をたどる。
この日は山仕事のトレースが残っていた。
992から先は地形図通りの広い台地となる。
この日は台地のど真ん中を突っ切る形でトレースを追ってしまったが、ガスや積雪でトレースが消えることを考えると、谷沿いを進んだほうが後の仕事を増やさずに済むかもしれない。(後に後悔する)
ワカンを装着してひたすら台地を進み、1420付近を幕営地とした。
■偵察
時刻は正午過ぎ。
幕営地に装備をデポして三沢への下降方法の偵察に向かう。
幕営地直下は崖となっているため、狭い尾根地形から三沢に下降する。
滝見の記録によると三沢の支流、熊穴沢出合いに降り立つのがベストであるらしく、ところどころ巻かれたテープを目にしながら急斜面を降りていく。
13時40分頃三沢に降り立つ。多少時間の余裕はあったがアプローチの疲れが勝り、水を汲んで幕営地に戻ることにする。
15時過ぎに幕営地に戻り宴会。
HGのスマホから長淵メドレーが流れテント内がしょんべん臭くなる。長淵といえばしょんべんである。
■登攀
翌朝、偵察通り沢床へ下降する。
大滝までは降り積もった雪のゴーロ帯。落とし穴に非常に苦労してなかなか進まない。
そんな中、1つ目の支流が出合いそちらを眺めると、木々の隙間からなにやら大きそうな氷瀑が見える。なんだあれは!!しかし疼く心を抑えて本流を進む。
ラッセルを続けること2時間弱。いよいよ本流の両岸が狭まり、円柱状にえぐられた崖に双瀑が現れる。デカイ。
右滝は左滝より高く、この日は右滝の氷結が良いようでこちらに取り付く。
1P目:太郎
右滝は上部に大クラゲを持っていた為、1P目は肩に向かって右上するつもりで取り付く。
目標にしていた右肩の灌木には5m程届かず、ほぼ60mいっぱいでスクリュービレイとなった。
(60m:Ⅳ、Ⅴ+)
2P目:太郎
見上げれば傾斜は緩んで階段状と思わせたが、取り付いてみると見えなかったカリフラワーと笠状の不規則な氷となり、傾斜もほぼバーチカルで悪い。落ち口はマントルフィニッシュ。ラインは蛇行してピッチスケールで約40mだった。落ち口左岸の灌木でビレイ。
(40m:Ⅳ-、Ⅴ+)
全体的にバーチカルとまではいかないが決して寝てもいない。部分的にバーチカル。クラゲやカリフラワーにシャンデリア、モナカなど、長いなりに障害要素が点在している滝であった。
下降:
選択の余地はなく、左岸の灌木に捨て縄巻いて右肩の灌木まで50m懸垂。重かったが何とか抜けた。
同じく右肩の灌木に捨て縄巻いて50m懸垂で着地した。
達成感も一塩、時刻は14:30を回り、急いでその場を後にする。
■撤収
午後から天気が悪くなる予報通り、みぞれに近い雪が降り始める。
落とし穴にハマながら熊穴沢出合に戻り、幕営地までの踏ん張り所の急登。ヘロヘロで尾根に出る。
テントを撤収し下山を開始するころに日没、みぞれに加えてガスも濃くなり視界が効かずトレースも消える。
方角間違えずに下ればいずれ尾根は狭まるが、コンパス回すより谷縁沿いに歩いた方が確実ということで暗闇の中新たなトレースを刻む。
ヘッデンの届かない暗闇をひたすら歩き、高度計1000を指したとき、行きのトレースに目印として積み上げた枝木に到着して歓喜。
駐車地点への下降も迷ったがヘッデンに反射する車を見て脱力。無事下山となった。
■タイム
●2/27行程
9:10林道終点発?9:36踏み跡詰め上げ?12:00幕営地着?
12:30偵察発?(彷徨)?13:35熊穴沢出合着?
14:00熊穴沢出合発?14:40尾根詰め上げ?15:00幕営地着
●2/28行程
4:00起床?5:40幕営地発?5:50下降点着?6:15熊穴沢出合着?
?(ゴーロ帯落とし穴と部分的ラッセル)?8:20三沢大滝着?
9:40登攀開始?13:00登攀終了?13:30下降開始?14:30取り付き着?
15:00撤収開始?16:00熊穴沢出合着???:??熊穴沢出合発?17:00尾根詰め上げ???:??幕営地着?
18:00幕営地発?19:30林道終点着