2022年7月28~30日 (山波446) NS、KG(記)
○7月28日
〈行程〉
6:00チロロ林道ゲート~12:00ヌカビラ岳~13:25北戸蔦別岳(幕営)
〈記録〉
道の駅「樹海ロード日高」より日勝峠に向かう国道をすぐにチロロ林道に入る。道内の林道は5、6年程前から不通が多いが、チロロ林道は暫く人家が続き、北海道電力の取水口もあり安泰のようだ。
ゲート前は既に10台程駐車、1時間余り林道を歩き、二岐沢、二ノ沢沿いの登山道を行く。何度も渡渉があるが、石伝いに行ける。沢から離れ、急登上最後の水場であるトッタの泉で4ℓ程汲む。樹林帯を抜けると、お花畑が続く。イワブクロやウサギギクを始め、日高固有種? かもしれない植物など多様にあった。日帰りの単独登山者数名とすれ違う。
ヌカビラ岳手前で茶褐色のカンラン岩が現れる。チロロ西峰以来見かける岩だが、すぐ北側間近のチロロ本峰と西峰は次第に霧に包まれて行く。幸い、戸蔦別や幌尻は、くっきり映えていた。
テント場は、ヌカビラ岳先や北戸蔦別より300m程手前に数張り分あるが、北戸蔦別岳山頂東側に2張分あり設営。俄かに周囲は霧に覆われ始めた。
夏寒き 星満天の 日高峰
○7月29日
〈行程〉
5:00テン場~6:20戸蔦別岳~8:40幌尻岳~13:30テン場
〈記録〉
戸蔦別岳を過ぎ、東側に広がる七ツ沼カールでは、沼はほぼ干上がっていた。目を凝らすと僅かばかりの雪渓脇に親子熊3頭が闊歩していた。親熊は雪渓上で暫く突っ伏すなど、遠目に見る分には長閑で何処かしら癒される。そのうち稜線に向かって登りだした時には、風情感も少々吹き飛んだ。
山頂は、幌尻山荘や新冠コースからも集まって来ていて、賑わっていた。「百名山達成……」など横断幕を掲げて興奮しているパーティなど、約1時間山頂で寛いでいるとのべ3,40人程いた。他の日高の山頂では先ずあり得ない。
ほぼ快晴で、カムエク、更に遠方に1839峰らしきピークも見える。我々同様戸蔦別方面からも何人も上がって来るが、半数は日帰り模様。
テントに戻ると尚も下さんは、ピパイロ岳〜伏見岳へ東に延びる長い稜線上最高点の1967峰偵察に向けて単独で登って行った。思いの他ハイマツ漕ぎがきついとの事。伏見岳からのコースは近年入山口への林道の崩壊で、多少林道歩きを余儀なくされるが、ピパイロ岳など以前から計画していたコース、いずれは歩きたいものだ。
薫風や カール戯る 親子熊
昼寝後の 僅か見合ひて ナキウサギ
○7月30日
〈行程〉
6:15テン場~11:20ゲート前駐車場
〈記録〉
ご来光に見とれ、のんびり撤収。ヌカビラ岳までは、展望の余韻に浸れる。土曜日で、晴天だけあって登山者も多い。林道脇の縦列駐車も続き、40台はあった。幌尻岳は山荘経由の額平川コースが一般的だ。そのアプローチの長さや人数制限を考えると、日帰りかテント泊となるチロロ川コースも入山者は増えて行く事だろう。